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不動産担保ローンの仕組み

所有不動産を担保にローンを組む

トップページの冒頭でも紹介した通り、"不動産担保ローン”は読んで字の如く、所有不動産を担保に捧げて資金調達を行う金融サービスです。
万一返せなくなった場合は、担保に入れた不動産が差し押さえされるリスクがある一方で、担保不要のフリーローンに比べ高額融資を低金利で受けやすいというメリットがあります。
不動産担保ローンを活用する場合は、まずは概要と基本ルールを理解することから始めましょう。

他の不動産系金融サービスとの違い

所有もしくはこれから取得する不動産を担保に入れて融資を受ける金融サービスは、不動産担保ローンのほかマイホーム購入時の“住宅ローン”や“事業向けの銀行融資(アパートローン)”などがあります。
住宅ローンやアパートローンの場合、債務者の与信を重視した審査が行われるため、条件によっては不動産担保評価以上の融資を受けることも可能です。

それに対し、不動産担保ローンは主に不動産担保評価の範囲内で貸し付けるため、収入や売上に拘らず提供する担保の価値で融資額が変動します。

融資実行・弁済までの流れ

前述した通り不動産担保ローンは不動産の価値によって融資額が変わります。
そのため、金融機関から入念に不動産担保評価額が審査され、万一借金を返せなくなった場合に自社側に損失が出ないかが調査されます。

不動産担保評価試算が終了しますと、申込者の与信・返済計画などを元に融資利率と融資上限額を提示され、条件の合意⇒金銭消費貸借契約⇒融資実行及び抵当権設定登記という流れになります。
借入後は契約条件に応じた弁済(返済)を行い、完済すると設定された抵当権が抹消され、一連の契約は終了します。

弁済出来なかった場合どうなる?

万が一返済できなくなった場合、担保として提供した不動産は一定期間の催促・猶予期間を経た後に差し押えられてしまいます。
なお、借金の返済が滞った際、金融機関側には債権回収・立ち退き案内・法的措置といった手間が別途発生するため、融資上限額は最大で取引価格相場の70%程度(物件によっては50%程度)と、実勢価格よりも低く設定されています。
差し押さえられた物件は「競売」という手続によって現金化され、抵当権者(金融機関)は当該代金から債権を回収するという仕組みです。

競売は通常売却よりも損

競売は簡単に行ってしまうと不動産のオークションです。
そのため、当然高く入札されれば自身で売る(任意売却)よりも得をしますが、残念ながら競売の方が売値は安くなるのが通常です。

理由としては、競売は原則として現状での引き渡しになるという点が挙げられます。
まず、任意売却の場合は家が傷んでいた場合「リフォーム」「修繕」等を行ったのちに売却することが多いですが、競売の場合は傷んでいてもそのまま競売をスタートさせます。
さらに、居住者が立ち退きに応じないといった場合であっても現状のままで(居住者が立ち退いていない状況)で競売にかけられますので、価格はグッと下がってしまいます。

したがって、万が一弁済できなかった場合は損をしてしまいますので、返せない可能性がある場合には不動産担保ローンを利用するよりも任意売却で資金調達した方が得策です。
不動産担保ローンは、謂わば「返せなくなった時に担保が没収されることで借金が無しになる」という契約条件ですが、利用する際は確実に返済できる計画の元で利用するようにしてください。

無担保融資との比較一覧

無担保ローン 不動産担保ローン
融資までの期間 最短即日
(主に翌営業日以内)
主に3~5営業日
金利 高い(最大18%) 低い(最低2%程度)
融資可能額 少ない 多い
返済期間 短い 長い
初期費用 主に無料 事務手数料・抵当権登記費用が発生
返済不能時のリスク 信用情報への傷 信用情報への傷+担保不動産の差し押さえ

まず、不動産担保ローンは無担保ローンに比べて低金利及び長期返済が可能というメリットがあります。
ただし、初期費用や融資時間の問題があるので、不動産担保ローンを利用できる環境にあっても、無担保ローンを利用した方が効果的な場面が多数あります。

特に少額利用・短期返済の条件になると、金利が安くても初期費用の影響により不動産担保ローンの方が割高になりやすいというデメリットが発生します。
なお、不動産担保ローンの中にも最低2~3%・最長30年以上の好条件で利用できる商品もあれば、無担保ローンと同様の15%程度の金利で5~10年以内の返済しかできない商品もありますので、活用する商品やシチュエーションによって無担保融資と比べるのがベターです。

他ローン商品との比較

その他、車を活用したローン、個人でも最大1,000万円前後を利用できるカードローン、ビジネス向きのローンといった幅広い金融商品があります。
不動産担保ローンと他ローンのメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット デメリット
不動産担保ローン 低金利
高額融資可能
審査に通りやすい
使途自由
初期費用がかかる
融資まで時間がかかる
不動産を失う恐れがある
担保評価額に対する融資率が低い
住宅ローン 超低金利で利用できる
長期ローンを組みやすい
住宅ローン控除を使える
居住用に新規取得する家のみ
審査が厳しい
初期費用がかかる
住宅取得費用以外に使えない
オートローン 低金利
フルローンを組みやすい
審査に通りやすい
所有権留保が行われる
車の売却時に手間がかかる
車を失う恐れがある
銀行系カードローン 限度額設定が可能
5%以下の低金利が可能
極度額の範囲で自由に借入可
随時繰り上げ返済可能
審査が厳しい
利用実績がないと条件が低い
借金地獄に陥りやすい
消費者金融 スピード融資が可能
審査に通りやすい
利便性が高い
金利が高い
世間体(イメージ)が悪い
銀行の事業向け融資
ビジネスローン
高額融資可能
条件によっては低金利可能
審査が厳しい
事業計画書作成など手間が大きい
貸し剥がしリスク

ローン商品には、大きく分けて使途自由のフリーローンと、限られた用途に応じた目的別ローンの2種類があります。
不動産担保ローンはフリーローンの中で高額融資に強いのが特徴と言えますが、昨今は最大500万円や1,000万円の限度額設定が可能な銀行系カードローンもあり、人気を集めています。

ただし、銀行系カードローンは甘い審査が社会問題になったことで高額融資を抑制する取り組みが行われており、ひと昔に比べて利用限度額が下がっている傾向にあります。
使途自由のフリーローンを利用する中で、消費者金融や銀行系カードローンで対処できない高額融資もしくは長期返済が必要な場面では不動産担保ローンが非常に有効です。

なお、使途に応じた目的別ローンがある場合は、不動産担保ローンよりも用途に限定したローンを組んだ方がお得になることが多いです。(例えば、車を買う際にオートローンの審査に通る条件であるにも関わらず、わざわざ不動産担保ローンを利用するメリットはありません。)
資金調達した資金の使途によって、不動産担保ローンと比較検討するべきローンを絞り込み、初期費用を含めた実質金利などを含めて総合的に判断しましょう。

住宅ローンが残っている場合は?

「個人」の方が不動産担保ローンを検討している場合、担保として提供するマイホームに住宅ローンが残っているケースがあります。
不動産担保ローンは、返済不能になった際に担保不動産を差し押さえすることで高額融資を可能にする金融商品なので、住宅ローンが残っている状況だと利用できる金融機関の選択肢が少なくなります。

しかし、一部の金融機関では住宅ローンの残債と不動産評価額の差額相当分を貸付する商品も用意されていますので、“住宅ローンがある=不動産担保ローンが使えない”というわけではありません。

例えば、みずほ銀行の扱う「みずほプレジャーエイジ」では、住宅ローンを組んでいる金融機関を問わず、マイホームの評価額から住宅ローン等の借入残高を差し引いた残りの部分(エクイティ)に対して融資を行っています。

ここで注意すべきなのが、マイホームの取得価格および住宅ローンを組んだ時点の借入額から月々の返済で減らした金額が融資対象になるのではなく、不動産担保ローンを組む時点の不動産評価額で試算される点です。(例えば、3,000万円で組んだ住宅ローンの残債が1,500万円まで減っていても、不動産評価額が1,500万円以下では利用できません。)

マイホーム購入時に頭金を多く入れてローン元金を少なくした人や、軽年数による不動産評価額が下がりにくい好立地物件のマンションを購入した方は、住宅ローンが残っていても不動産担保ローンを利用できる可能性が高いです。

自身に合ったローン選びが大切

自分に合ったローンを選択する

このように、一言で“不動産担保ローン”と言っても自身の状況によって適する商品は異なります。
また、金融機関の条件を比較する、商品内容をしっかりと確認するということも、不動産担保ローンを利用する上では非常です。
損をしないためにも、希望する融資額・年収・所有する財産等を総合的に勘案した上で最も良い条件をつかみ取ってください。