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限度額返済期間

不動産担保ローンの返済イメージ

銀行や大手ノンバンクの提供する不動産担保ローンでは、1億円以上の高額融資に対応している商品も取り扱っています。
しかし、高額な借入を利用した場合は返済期間に応じて月々の支払い負担が大きくなるので、高額融資をご検討の際は収支のバランスが特に重要となります。
当ページでは無理のない範囲で借り入れるためにも、どのくらいの「限度額」「返済期間」で返済していくべきなのか、について解説したいと思います。

大まかな借入限度額

不動産担保ローンの限度額は路線価の7割が目安だと言われています。
実態価格(取引価格)や公示価格に対して路線価は80%ほどになるので、実際は売却時に想定される価格の56%程度になる計算です。

不動産の3つの価格
計算式

実態価格を5,000万円とした場合、
路線価4,000万円(実態価格の80%)×70%=2,800万円
となり、限度額相場は実態価格の56%程度となります。

簡単に言うと、仲介業者に依頼して売却する場合に想定される価格(実態価格)の半分ちょっとの金額が不動産担保ローンに於ける限度額ということになります。
なお、住宅ローン利用・他の不動産担保ローン・事業融資等により、すでに該当不動産に抵当権が設定されている場合は注意が必要です。
住宅ローンの残債がある場合には既に抵当権が設定されておりますので、金融機関は担保権を設定しても残債を回収できなくなる可能性が高まってしまいます。

そのため、残債ありの不動産を担保として認めてくれる金融機関は稀であり、場合によっては抵当権が付いている時点で門前払いされてしまうということも珍しくはありません。

返済負担率も考慮

不動産担保ローンはあくまでも「金銭消費貸借契約」であり、月々の返済が前提で利用するものですので、不動産担保評価額が必ずしも貸付限度額になるとは限りません。

つまり、収入に対する返済負担率(返済額)が高すぎると判断された場合、融資を受けられない可能性があります。
返済負担率とは毎月の収入に対して月々の返済金額の占める割合のことで、たとえば月収30万円の人が月々の支払い額10万円の返済計画を立てた場合は返済負担率33%となる計算です。

なお、固定金利と変動金利によって返済負担率の与える影響は変わり、長期間の変動金利になると将来の金利上昇リスクを加味されるため、よりシビアに判断されます。
また、返済負担率の基準については各金融機関で差異が見られ、たとえば公務員であれば返済負担率50%でも審査に通ることがありますし、収入の安定しない個人事業主は返済負担率を20%程度に下げるように指示されることもあります。

返済期間について

不動産担保ローンでは以下の借入プランが主流です。

3年固定、 5年固定、 10年固定、 変動、 全期間固定(11年以上)

金融機関によっては当初期間引き下げ型を導入しているケースや20年固定プランを用意しているケースがありますが、上記5パターンが主となります。

返済期間は10年以下に設定している所が多く、最大返済期間が長くなるほど借入先の選択肢が少なくなる点には注意が必要です。
なお、最長返済期間の長いところでは住宅ローンと同等の35年に対応するケースもありますが、返済期間11年を超えると審査基準が一気に厳しくなる傾向があります。
つまり最長で35年まで返済期間を延ばすことができますが、この場合は住宅ローン並に申込者の与信と返済能力が厳しく審査されます。

年齢の影響

長期返済を希望する場合、申込時と完済時の年齢は非常に重要となります。
一般的な目安は完済時の年齢が最大で70歳となっており、ローン商品ごとに申込基準で利用可能年齢と完済時の年齢を明記していることが多いです。

そのため、金融機関側が最長35年の返済期間に対応していても、完済時の上限年齢を70歳に設定していた場合、仮に申込時の年齢が50歳だった場合は20年の返済期間が最長となります。

長期返済は利息が増える

返済期間を長くすると月々の返済額は少なくなりますが、その反面で金融機関に支払う利息は大きくなります。
せっかく低金利で借り入れられたとしても、返済期間が長いと総支払額で10~30%以上の差が出る可能性がありますので注意しましょう。
以下は返済期間が10~30年だった場合の返済額のシミュレーションですので、よろしければご参考ください。(共に元利均等方式で計算しています)

総支払額シミュレーション①

1,500万円を金利3%(固定)で借り入れた場合。

借入期間 返済額/月 返済総額
10年 144,841円 17,380,866円
15年 103,587円 18,645,615円
20年 83,189円 19,965,415円
30年 63,240円 22,766,471円

金利3%でも、10年と15年で支払総額は約165万円もの差が出ます。 低金利でも返済期間が長くなるほど利息負担が大きくなるので注意しましょう。

総支払額シミュレーション②

500万円を金利12%(固定)で借り入れた場合。

借入期間 返済額/月 返済総額
5年 111,222円 6,673,301円
10年 71,735円 8,608,205円
15年 60,008円 10,801,400円

ノンバンクなどの高金利になると、5年あたりの支払い総額の差がさらに大きくなります。
10年と15年を比較すると、支払総額が125%もアップするにもかかわらず、月々の支払いでは約1万円の差しか出ません。
なお、元金のみを固定した元金均等方式の場合は総支払額が安くなりますが当初の返済負担が高くなるという特徴があります。

総量規制について

国会で貸金業法が改正される

2010年に貸金業法が改正され、個人が消費者金融から借入する場合は年収の1/3を上限にする「総量規制」というルールが作られました。
消費者金融の個人向けフリーキャッシングは例外なく適用されますが、銀行の場合は貸金業法ではなく銀行法が適用されるため、原則として総量規制は適用されません。
つまり、銀行が提供する不動産担保ローンであれば総量規制の影響を受けず、消費者金融などの貸金業者(ノンバンク)の商品の場合ですと年収の1/3が上限となる可能性があるのです。

総量規制の対象外となるパターン

前述した通り、ノンバンク系の不動産担保ローンは原則として総量規制の対象となります。
ただし、以下のパターンに当てはまる場合には例外として総量規制が適用されません。

不動産購入または不動産の改良・リフォーム
①の貸付が行われるまでのつなぎとして行う貸付
生計を維持するのに不可欠な居宅等を除く不動産を担保
売却予定不動産の売却代金により弁済される貸付
顧客に一方的に有利となる借換え
借入残高を段階的に減少させるための借換え
個人事業者に対する貸付(要件あり、新規開業も対象)

担保に提供される不動産として最も多いのが、アパートやワンルームマンションといった所謂「投資用物件」です。
投資用物件を販売する不動産会社の多くは独自に金融機関と提携しており、不動産の買換えや住換えを予定しているケースでのつなぎ融資として、不動産担保ローンを利用する(紹介される)ことがあります。

借入額が高い場合は銀行を選ぶ

ほかにも特定の使途に限定することで特例を受けられるケースもありますが、不動産担保ローンは「使途自由」を明記しているため、認められにくいのが現実です。
したがって、年収の1/3を超える借入希望額があり、明確に特例を満たしていない場合は、銀行など総量規制を受けない金融機関を選ぶのがベターと言えます。
総量規制の影響を受ける貸金業者を利用する場合には、資金調達の目的や事情を包み隠さず相談し、無理のない範囲での利用を心がけてください。