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不動産担保ローンの審査基準

不動産担保ローンの審査基準の説明を受ける

不動産担保ローンでは、担保不動産の評価額と申込者(債務者)双方の信用が審査されます。
担保不動産の評価額に対して50~70%以下の金額が融資上限額になるほか、申込者の信用度・返済能力に問題ないことが前提条件になります。

そのため、担保に入れる不動産の評価額が大きくても申込者自身の信用に問題があると利用できないので注意しましょう。
他にも、審査には以下のようなルールが定められています。

不動産担保価値の決まり方

担保に入れる不動産の担保価値は土地と建物で個別に算出されます。
通常の不動産売却であれば、そのときの土地と建物の状態を元に、取引価格をベースに算出されることが多いですが、不動産担保ローンの場合、差し押さえする時期がいつになるか分かりません。

そのため、土地に重点をおいた担保評価をされる傾向があります。
また、土地・建物の各基準価格は以下の方法で算定されます。

土地の基準価格

土地の評価額には以下の公的な基準価格が存在します。

基準価格 管轄
(算出者)
決定時期 算出方法 価格帯
実勢価格
取引価格
金融機関
不動産会社
取引都度 近隣の似た条件の物件の取引価格を参考に決定 100%
(想定売却価格)
公示地価 国土交通省 年度末
(3月下旬)
1月1日時点の全国標準地から算出 100%
(実態価格とほぼ同じ)
路線価格 国税庁 毎年7月 1月1日時点の路線・道路に面した標準的な宅地1平米の基準価格 80%
固定資産税評価額 市町村 4~5月 公示価格の70%が基準 70%
基準地価 都道府県 毎年7月 定められた基準地を不動産鑑定士が鑑定評価 70~80%

この中で銀行やノンバンクの不動産担保ローンの鑑定評価で広く使われているのが「路線価格」です。
路線価格は公示価格の80%が基準になることから、差し押さえして売却する状況になった時に“想定以上に土地の評価が低くなることを回避する”という狙いがあります。
なお、余談ですが路線価格は「相続税の不動産価格算定」にも用いられる指標としても有名です。

建物の評価

不動産における建物の評価額は基本的に以下の計算式が使われます。

評価額の計算式

建物価格 = 再調達価格 × 延べ床面積 × 残存年数 ÷ 法定耐用年数

耐用年数の例
木造住宅 22年
モルタル造の住宅 20年
鉄筋構造の住宅(マンション) 47年

※事務所・店舗・工場などは国税庁HPでご確認ください。

再調達価格(建築時の価格)が高く、築年数が浅いほど建物の評価は高くなるのが一般的ですが、不動産担保ローンの場合は建物評価額が低めに見積られてしまうケースが多いです。
さらに、いきなり提供できる最大値の評価を提示した場合、希望借入額や申込者の審査状況に応じた融通が利かなくなってしまうため、金融機関は建物評価額の提示を微調整することがあります。
予めどのくらいの融資が受けられるのかが知りたいときは、まずは近隣の似た条件の物件(想定される実態価格)または公示価格を把握し、当該価格の50~70%となるという認識を持っておけば概ね間違いありません。

公示価格の調べ方(外部サイト)

国土交通省地価公示・都道府県地価調査

金融機関側のリスクは意外に高い

「実態価格よりも安く融資しているから金融機関はノーリスクだろう」

と思われる方も多いでしょうが、実際には金融機関側が損害を被る恐れは大いにあります。
繰り返しお伝えしてきましたが、万が一弁済が滞ると、金融機関側は預かった不動産(担保)を競売にかけ、その代金で弁済金を充当するというのが不動産担保ローンの仕組みです。
不動産を失う恐れがあるのであれば不動産評価額に対して80~90%以上の金額を提示してもらいたいというのが本音ですが、残念ながら評価額の50%程度にとどまってしまうのが現実です。
限度額が想像よりも低くなってしまう理由としては、不動産担保ローンの差し押さえによる売却は以下の問題が発生しやすいためです。

立ち退き拒否による落札額の低下
差し押さえするまでに莫大な手間がかかる
利息収入が止まるため収益が下がる(機会損失)

そのため、金融機関側は不動産評価が高くても必ず申込者に対しての信用も調査し、不安があればなるべく担保評価を低くし、安全マージンを確保しようとするのです。

債務者本人の「信用」も重要視

債務者の信用情報で審査結果に違いが生まれる

債務者本人の信用情報確認として、主に以下の項目が審査されます。

金融商品利用状況
勤務先及び勤続年数
年収(過去2~3年分)
家族構成

細かい審査項目や重視される内容は金融機関によって変わりますが、信用情報機関の内容と収入・支出のバランスに問題がないことが必須条件です。
信用情報機関は主に直近5年以下の金融商品の利用情報を各金融機関で共有するもので、債務整理や借金の長期延滞、踏み倒しなどの事故情報があると不動産担保ローンを含めた一切の融資を受けられません。

信用情報機関の内容に問題があると、どこの金融機関からも融資を断られるため、信用情報機関の事故情報に履歴が残ることを「ブラックリストに載る」と表現することがあります。
その他、遅延・不履行だけでなく「現在の借入状況」も審査に影響します。

例えば、フリーキャッシング・他ローンなどで既に多額の借入がある場合、新規融資を断られてしまう可能性があります。
ただし、無職や家賃収入・年金のみの人でも、状況に応じた柔軟な対応をしてもらえる金融機関も存在しますので、まずは自身の状況を正直に話したうえで相談することが大切です。

税金・保険料滞納でも借りられる?

昨今は不動産担保ローンおよび住宅ローンの審査が厳格化されており、納税証明書や年金・社会保険料の支払い履歴の提出を求められるケースが増えています。

また不動産担保ローンでは、担保不動産の固定資産税の支払い状況もチェックされます。
税金・社会保険料滞納の場合、ブラックリストと同様に一発で融資不可の審査結果を出す金融機関も多数あります。(特に低金利を売りにした銀行の不動産担保ローンは税金・社会保険料の滞納にシビアです。)

このような状況である場合は「ノンバンク系」を利用すると良いでしょう。
融資上限額を低く設定する・金利を高く調整するなど、ノンバンク系不動産担保ローンであれば柔軟に対応して貰えるケースがあるためです。
なお、担保として確保した不動産が差し押さえられてしまうリスクがあるため、担保に入れる不動産の固定資産税の滞納は絶対にNGです。
不動産担保ローンを利用したい場合は、最低でも固定資産税だけは納付しておくことを強くおすすめします。